moderation

ぼくの望みは違うんです。大成功したいわけでも、華やかに生きたいわけでもない。快楽を追及して生きたいとも思わない。なんというか、ぼくは自己を実現でき、かつ節度ある清潔で美しい生活をしたいんです。
ああ、いまやっと自分でも自分の願いを言語化した感じです。例えば、カフカや宮澤賢治は、ほとんど無名のままに世を去った天才たちですよね。彼らは事務員や小学校教師を続けながらも、詩や童話を書いていた。そういう生活は虚飾から逃れていて、とてもいいもんだと思い、無性に憧れます。

それはなかなかいい目標だ。だが、残酷なようだが、仕事を選ぶうえでもう一つ、きみが「天才でない」という前提もここに加えておこう。