useful [形] 有用な

就職活動は出会いの場だ。今日はオジサン編。

あれは、就職セミナーが終わりオフィス街のカフェに入ったときのことだった。レジには2人並んでいた。先頭の女性はラテのほかにサンドイッチを注文した。会計を終えてラテとサンドイッチを白いトレイに載せて2階へと上がって行った。ごく日常の風景だ。

レジ、メニュー、陳列棚、「ホットでよろしいですか」という店員の声。ごくごく日常の風景だ。

しかし、日常の風景というものは簡単に壊される。

私の前の、やや疲れたスーツを着ていたオジサンは、ホットコーヒーを注文した。飲み物を1杯だけ頼んだ場合、トレイは差し出されない。お客はカップそのものを持って席に向かうことになる。そのオジサンにもホットコーヒーを淹れたカップだけが渡された。

次の瞬間、そのオジサンはカップを、レジの横にあったお釣り受け用の茶色いトレイに載せたのだった(!)。白いコーヒーカップの載った茶色いお釣り受け。それを手にオジサンは階段へ向かった。

2階へと続く階段を上っていくその背中は「社会に出たら、方法や手段は与えられるものではなく自ら作り出さなければいけないものだよ」と語っているようにも思えた。

(2005/11/26, Takashi)

absurd [形] ばかげた、理屈に合わない

就職活動は出会いの場だ。今日はオバサン編。

あれは、就職セミナーに行こうとして最寄駅の改札をくぐろうとした金曜日の昼下がりだった。その駅の改札口にはゲートが3つある。そのうちの1つは車椅子の利用者が通れるようにだろうか、他の2つよりも幅が広い。

その広いゲートをくぐろうとして定期券を入れた瞬間、後ろにいたオバサンが同じその広いゲートを通って私をアウトから追い抜いていくではないか。ゲートを出るのはオバサンのほうが早かったので、私は閉じられたゲートのバーに行く手を遮られた形に。「そんな不条理な・・・」と呆然としていると既にオバサンは数十メートル先に行ってしまっていた。

離れても小さくならないその背中は「社会に出たら不条理なことの連続よ」と語っているようにも思えた。

(2005/11/19, Takashi)